土壌中の窒素の評価

1.全窒素
 土壌中に含まれる窒素化合物の総量(硝酸態窒素を除く)となります。土壌基本的な性質の調査時に分析されることが多いです。
   しかし,土壌の肥沃度にはあまり関係が無く,土壌中には1%にも満たない程度しかありません。そのため,植物が使える窒素の評価としては使えません。
 
 2.無機態窒素
   土壌での窒素形態は,有機態窒素,無機態窒素の二つに大別され,アンモニア態窒素と硝酸態窒素が無機態窒素になります。大半の植物は土壌中の硝酸態窒素を吸収します。土壌中のアンモニア態窒素は吸収可能な硝酸態窒素の一つ前の形で,やがて微生物等により硝化され硝酸態窒素に変換されて植物に利用されます。この変化はアルカリで+イオンであるアンモニウムから酸性で-イオンである硝酸になるという科学的にも面白い形態変化です。
  吸収された硝酸態窒素は植物生体内ではアンモニア態窒素に変換,その後アミノ酸,蛋白質に合成されていきます。

窒素の評価1

3.熱水抽出性窒素
   この項目も作物が利用可能な窒素の指標ですが,この項目は一部有機態窒素が無機化して作物が利用可能となる窒素も含みます。しかし,硝酸態窒素については含まれていません。土壌によって若干異なる場合があるので注意が必要です。

窒素の評価2