石灰資材の種類と特徴

  日本の土壌が基本的には酸性であることは良く知られていると思います。昔から土づくりは堆肥,炭カル,熔リンというのが定番であり,石灰資材は日本の土壌改良には切離せないものです。
酸性矯正に用いる石灰資材は生石灰,消石灰,炭カル,貝化石,カキガラ等が挙げられます。これらの石灰資材がすべて同じというわけではなく,成分量,形態も異なれば,効き方もそれぞれです。各資材の成分量や特徴は下記の通りです。
   生石灰,消石灰は非常にアルカリが強く即効性があります。しかしその反面,持続性にはかけます。一方,炭酸カルシウム(CaCO3)を主成分とする炭カル,貝化石,カキガラは緩行的で効果が出るまでには時間が掛かりますが,持続性はあります。

石灰・資材1

  上記のような石灰資材がありますが,実は生石灰,消石灰,炭カルは同じ石灰石から作られています。石灰石の主成分も炭酸カルシウムになりますので,クラッシャーで粉砕したものが炭カルになります。更にこれを焼くと酸化カルシウム(CaO)ができ,これが生石灰となります。生石灰に水を加えると激しく発熱しますが,この過程で水酸化カルシウム(Ca(OH)2),つまり消石灰ができてきます。何かの形で聞いたことがあるかも知れませんが,焼いた石灰は効きが良いと言われます。実は焼くことによって効きの良い生石灰や消石灰に変化しているのが理由です。石灰資材の製造工程を考えると良く分かります。

石灰資材2