<飼養密度と採食行動> 乳牛は一日の採食時間に3~5時間を費やし、9~14回採食し、一回当たり20~30分の時間を使うとされています。米国の幾つかの調査では、採食時間は飼養密度に大きく影響されることはないというデータが出ています。方や、一頭当たりの飼槽幅は45cm必要とされており、フリーストールでも3列の場合は、飼養密度が高くなると、採食時間に影響を及ぼすかもしれません。 また、飼養密度が高くなると、採食回数が減少し、固め食いが多くなると言われています。
<移行期の飼養密度> 移行期(分娩3週間前~分娩3週間後)の飼養密度は特に重要になります。この時期は特にストレスを受けやすく、ゆったりとしたスペースで飼養する必要があるからです。 クロースアップ(分娩3週間前~分娩)群の飼養密度が高くなると、分娩直後の乳量が低くなったり、疾病が増えたりする可能性があります。出来れば、そのステージの飼養密度は80~90%が推奨されています。
<飼養密度と跛行> 牛の足は硬い蹄という靴をはいた状態になっています。その中には蹄骨が葉状層と真皮層に包まれており、起立時間が長くなると、そこが炎症を起し、充血と陣痛を伴うようになります(負重性蹄葉炎)。例えて言うと、牛の足は人間がハイヒールを履いたような状態になっています。人間もハイヒールを履いて長時間立っていると足がむくんだりしますが、牛は一本の足に140kgという自重がかかっており足への負担は大きいものがあります。飼養密度が高くなり、起立時間が長くなると負重性蹄葉炎による跛行が増えます。
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