6.トウモロコシとソルガムの混播利用

 トウモロコシの早播きの適期に合わせてトウモロコシとソルガムを混播すると、生育に適した温度帯の違いにより、トウモロコシが優先して生育します。夏にトウモロコシを収穫すると、その陰で細々と生育していたソルガムが再生し、秋口に2番草を収穫することができます。このように、1度の播種作業で2毛作並の多収を得られることが、トウモロコシとソルガムの混播栽培の利点です。

(1)品種選定
 秋口の気温が下がる時期までにソルガムの再生草が十分に生育できる期間を担保する必要がありますので、トウモロコシの品種は、西南暖地ではRM115~120クラス、関東・中部ではRM110~115クラスのものを選びます。
 草丈が高いソルガムの品種を使用してしまうと、トウモロコシとの生育の競い合いや、トウモロコシの受粉を邪魔してしまうなどにより、結果的に低収となってしまう恐れがあります。トウモロコシとの混播には、基本的に子実型や兼用型が適していますが、ソルゴー型やスーダングスの場合も草丈が低めの品種であれば利用可能です。
(2)播種量および播種方法
 トウモロコシの栽植密度は、カタログ等に記載されている各品種の最適密度の中で、最も少ない本数に合わせてください。トウモロコシの本数が多すぎると、発芽初期の段階でソルガムが完全にトウモロコシに被覆されてしまい、消えてしまう恐れがあります。
 ソルガムの播種量は、多すぎるとトウモロコシの生育を邪魔してしまい、反対に少なすぎると再生草の収量が低くなってしまいます。トウモロコシの早播きの播種適期の中で、早めの時期に播く場合は2kg/10a、遅めの時期に播く場合は1kg/10aを目安とします。
 播種はコーンプランターに専用のソルゴーアタッチを取り付けて行います。専用の機械が準備できない場合は、コーンプランターの肥料ホッパーで代用することもできますが、その際は粒状石灰等で増量する必要があります。
(3)雑草管理
 除草剤はトウモロコシとソルガムの両方で登録されているものを使用します。特にトウモロコシ用の選択性茎葉処理剤は、ソルガムにかかると枯れてしまいますので、土壌処理剤による防除が主となります。ある程度生育するとソルガムにより条間が被覆されるため、トウモロコシ単播に比べると雑草は生えにくくなります。(4)収穫期
 トウモロコシが主体となる1番草は、トウモロコシの収穫適期である黄熟期に収穫します。1番草収穫後、ソルガムの再生草の為に窒素とカリウムを成分値で5kg/10a程度ずつ追肥します。ソルガムの再生草は、秋口の気温の下がり具合によってはソルガムの収穫適期である乳熟~糊熟期に達しないかもしれません。その場合は、一度霜に当て茎葉を少し枯れさせて水分を下げてから収穫します。
 トウモロコシの早播きの適期に合わせてトウモロコシとソルガムを混播すると、生育に適した温度帯の違いにより、トウモロコシが優先して生育します。夏にトウモロコシを収穫すると、その陰で細々と生育していたソルガムが再生し、秋口に2番草を収穫することができます。このように、1度の播種作業で2毛作並の多収を得られることが、トウモロコシとソルガムの混播栽培の利点です。