2.完全更新(都府県版)

 除草剤で牧草の生育に影響を与える強害雑草を駆除でき、堆厩肥活用で良質な草地ができあがります。
 完全更新は耕運作業が基本です。耕運作業には耕起と砕土があり、土の上層と下層の天地返しによる耕起だけの作業を反転耕起といい、土を細かく砕きながら混ぜることによる耕起と砕土を兼ねた整地作業を攪拌耕起といいます。
 反転耕起はプラウ作業により、耕深が20~35㎝程度と深く土壌を反転させるため、既存植生の残渣や雑草を埋没させ、土壌の通気性や透水性が改善されます。 
 砕土・整地作業の攪拌耕起は、ディスクハローやパワーハロー、ロータリーハローなどの作業機を使い耕深を15㎝程度にして、播種床を整えます。

(1)完全更新時の留意事項            
①反転耕起の前に除草剤を散布
 古くなった草地には、地下茎型のイネ科雑草(シバムギ等)やギシギシが繁茂しています。シバムギなどのイネ科雑草を選択的に殺草する除草剤はないため、耕起前にグリホサート系の非選択性の除草剤(すべての植物を枯らす)を利用します。
 9月に播種する場合は、春に1番草を収穫した後、草丈で約40cm程度まで再生させ、ムラ無く除草剤を散布します。
 都府県の春播きは雑草の生育が旺盛で牧草の定着が不安定なため、秋播きを主体に行います。

②堆厩肥・スラリーの散布
 更新時の堆厩肥の施用限界は5t/10a程度です。更新時に施用された堆厩肥から肥料養分の供給が見込まれますが、効果が緩慢なので播種時の減肥は避け、草地の維持段階で追肥を調整・減肥します。
③反転耕起(プラウによる耕起)
 硬くなった土壌の通気性や透水性を改善するために必要です。ルートマットや雑草を鋤き込み、耕土を深くすることで牧草の発芽と定着が良くなります。
④ディスクハロー、パワーハロー、ロータリーハローによる砕土
 反転耕起のみでは畑が平らにならず、かつ土壌が細かくならないため、砕土が必要です。粘土分が多い土壌では、パワーハロー、ディスクハローでは土壌を細かくしにくいため、ロータリーハローが必要です。
⑤ケンブリッジローラーによる鎮圧
 播種前に柔らかくなった播種床を鎮圧し、種子が土壌水分を吸収しやすくし、更に、トラクターの轍をできにくくします。粘土質土壌では重い鎮圧は発芽不良の原因になりかねないため、平ローラーで軽めの鎮圧を行います。
⑥施肥、播種、鎮圧
 播種作業でブロードキャスターを使用する場合は、基肥に牧草種子を混合して縦横に2回播きにするときれいに播種できます。
 その後、ケンブリッジローラーで十分に鎮圧すると、その溝に沿って条播したように発芽します。鎮圧が不十分な場合は、発芽が不均一になります。一方、グラスシーダーなど専用播種機を利用する場合はブロードキャスターで基肥を撒き、その後、牧草種子を播種します。
(2)完全更新の作業工程