2.播種期と注意点

(1)播種期
①平均気温が10℃を超えて以降、地温10℃以上を目安とします。
②播種適期に入ったらできるだけ早く播種します。北海道では早くて5月上旬、できれば中旬までには終了させます。
③適期播種は多収と根張りが良くなるため倒伏の防止に繋がります。
④晩播は茎が細く、根張りも悪くなります。倒伏の増加、生育遅延による登熟の遅れなどにより減収する可能性があります。

(2)播種深度を3~5㎝とする。
①生長点を保護するように深めに播種すると、晩霜の被害を軽減できます(図 2-2、2-3)。
②播種深度が3㎝より浅いと根の張りが悪く、倒伏のリスクが高まります。砕土が粗い時や干ばつ条件では、播種深度が浅いと発芽が遅れ生育が不安定になります(写真2-1)。
③播種深度が5㎝より深いと、出芽が遅れます。播種後に鎮圧を行った場合はさらに遅れる可能性があります(写真 2-2)。

(3)種子に薬剤を処理し、土壌菌・害虫などから種子を保護する
 種子に殺虫剤や忌避剤を処理することで、種子腐敗や病虫害発生リスクを回避できます。
①種子腐敗の原因となるピシウム菌から種子を保護し、鳥類による苗引き抜きを防止する薬剤としては、「キヒゲンR-2フロアブル」(種子1㎏あたり原液20mlを塗抹処理)などがあります。
②牧草地で発生するハリガネムシの対策には、「クルーザーFS30」(種子1㎏あたり原液6mlを塗抹処理)などがあります。


※注 本文中の除草剤、殺虫剤、忌避剤は、2023年8月現在農薬登録のあるものを掲載しています。