発情発見率は平均分娩間隔を決める要素として最も大きなウエイトを占めると言われますが、昨今の発情発現の微弱化や多頭飼養化などによって発情発見が難しくなっています。平均的に発情持続時間が7~10時間、発情中のスタンディング回数が10回前後で延べスタンディング時間が30秒程度とすると、作業時間帯には最低でも2回の発情観察が必要になります。夜間中のスタンディングの有無を知るためにはテールペイントも有効でしょう。しかし、フリーストール牛舎でも発情牛のうちスタンディングを示す割合は50%前後との報告も多く、2次的な発情兆候を含め、より注意深い発情観察が必要です。最近では、万歩計によって行動量の増加を検知して発情発見し(つなぎ飼養でも可能)、そのデータを自動的にパソコンへ送るシステムも開発されています(図2)。 |
一方、受精には排卵された卵子の受精能が高い時期に受精能を獲得した精子が到達する必要があることから、授精のタイミングも受胎率に大きく影響します。 最初のスタンディング発情から8~12時間後が授精の最適期との報告もありますが、現場では発情の開始時刻はなかなかわかりません。そこで、発情発見した時点からでの受胎率を調べてみると、6時間以内の比較的早期に授精すると高い受胎率が得られるようです(図3)。また、このことは、1日のうちで午前と午後の少なくとも2回は授精が実施できる時間帯が必要ともいえます。 |