(1)アルファルファの利用方法
①単播で利用する場合
アルファルファは肥沃で排水が良く、かつ、アルカリ性の土壌を好みます。播種前に土壌分析を行い、必要に応じて土壌改良を行います。また、播種後の雑草との競合を最小限に抑えるためにグリホサート系の除草剤(ラウンドアップマックスロード等)による播種前処理が有効です。
播種前に除草剤処理を行った場合は、表土を攪拌せずに播種し、鎮圧します。
播種前の除草剤が効けば雑草はかなり抑えられるため、播種後の掃除刈りを省けます。
アルファルファの株を生長・定着させるために、播種から70日間は刈取らないようにします。場所によってはアカザ等の雑草が繁茂することがありますが、極端に雑草が多い場合を除きアルファルファは開花期まで生育させます。
株の生長を確保する為に、初回の刈取りは低く刈らないようにします(目安:10㎝程度)。播種2年目以降は、1番草は着蕾期~開花始に刈取りを行います。
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また、2番草以降は約40~50日間隔で刈取りを行います。施肥ではカリとリン酸をしっかり補給すると共に、カルシウム補給とpH維持のために石灰資材の施用が有効です。
②混播で利用する場合
アルファルファはアカクローバやシロクローバと異なり、牧草地で強害雑草であるギシギシを除草するために使用されるハーモニーDFを使用しても薬害の影響を受けにくいため、イネ科牧草の混播で除草を考えると、クローバ類よりアルファルファが有利です。
混播量はイネ科牧草を2.5~3.0kg/10aに対し、アルファルファは0.2~0.3㎏/10aです。
(2)栽培上の留意点
①刈取り危険帯
越冬前の株数保全と翌春の1番草の収量を確保するために刈取りを行ってはいけない時期を指します。刈取り危険帯は地域によって異なりますが、おおよそ平均気温が5℃を下回る時期の1ヵ月前に相当します。東北地方(岩手県)では、10月上旬~10月中旬頃になります。
②施肥
カリとリン酸をしっかり補給すると共に、カルシウムの補充とpH維持のために石灰資材の施用(40~60㎏/10aを秋または春秋に分肥)が有効です。そのために定期的な土壌分析を実施します。
③播種時期
播種は春播きと秋播きが可能ですが、雑草競合が少ない秋播きを主体にします。
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※ 本文中の除草剤は、2023年8月現在農薬登録のあるものを掲載しています。