3.アルファルファ草地の刈取り管理

 アルファルファは初期生育が遅く、一般草地のように早期に掃除刈りをすると再生できず枯死しやすい草種です。そのために1年目は再生できる養分を蓄えることを重点に、2年目以降は、冠根部の養分の消耗を少なくし、越冬のための養分を十分に貯蔵するように収穫を計画します。イネ科と混播して利用する際も、1年目は個体数を確保するためにアルファルファ主体草地と同じように管理することをお勧めしますが、2年目以降は主体となるイネ科にあわせて収穫します。
(1)1年目の刈取り管理
 播種当年(図 3-1)は、株を充実することに重点を置き、1回目の刈取りはできるだけ遅くして生育期間を確保し、株を充実させることがポイントです。最初の収穫(もしくは掃除刈り)までに70日程度の生育期間を確保するか、地際からの再生芽が確認できてから収穫します。
 2番草も同じくらいの生育期間を確保し、アルファルファの刈取り危険帯注)を回避して収穫します(図中①、②)。更にオーチャードグラスとの混播の場合、オーチャードグラスの刈取り危険帯は10月上~中旬であるため、図中①の2番草収穫時期は10月下旬以降に遅らせる必要があります。
 図中③のように8月播種の場合には、多少草丈が長くなっても刈り取らずに越冬させるのが得策です。

注)刈取り危険帯:牧草は秋季になると越冬のための貯蔵養分を蓄えます。この時期に収穫すると再生のために養分を消耗するために貯蔵養分を十分に蓄えることなく、越冬性が不良になります。このように刈取ってはいけない時期を刈取り危険帯といいます。この時期は草種によっても異なり、アルファルファは9月下旬から10月上旬頃です。また、地域によっても異なり道央以南は10月上旬~下旬と考えられます。

(2)2年目以降の刈取り管理(図 3-2)
 道央など条件の良い地域では、2年目から3回刈りが可能です(図中④)。1番草は萌芽開始から約45日後の6月中旬(着雷期頃)、2番草は1番刈り後40日の7月下旬頃、3番草は2番刈り後約50日の間隔を空けて刈取り危険帯前の9月中旬に収穫します。気象条件等により3番草の生育が不良の場合は、刈取り危険帯後に収穫します(図中⑥)。1年目同様、オーチャードグラスとの混播の場合、オーチャードグラスの刈取り危険帯は10月上~中旬であるため、図中⑥の3番草収穫時期は10月下旬以降に遅らせる必要があります。道東など気象条件の厳しい地域においては、2年目の刈取りは約60日間隔の2回刈りとし(図中⑤)、3年目以降は3回刈りが可能となります(図中④、⑥)。気象条件の厳しい地域又は越冬後の生育が不良な時には、1番草で開花を確認してから収穫を行うことでアルファルファの衰退を抑えます。

(3)最終刈取り
 近年は秋季の気温が高く、3番草刈取り後もアルファルファが生育しますが、越冬性を考えると40~50cm程度伸びても10月以降は刈取らないほうが越冬性は良好となります。