ソルガムの発芽初期に生育障害(いや地現象)が発生することがあります。この障害は1970年頃に南九州地域の黒ぼく土壌地帯(鹿児島県大隈半島および宮崎県南部)での発生が報告されていて、近年、関東地域においても散発的に発生しています。
症例の多くは2~3葉期に葉身が赤紫色を呈し、生育が停滞し、重症の場合はそのまま枯死する場合があります。
この生育障害はソルガムの連作あるいは過去2~3年前にソルガムを作付した場合に発生することが多いようです。ソルゴーよりスーダングラスが発生しやすい傾向がありますが、品種によって差があるようです。
原因は解明されていませんが、何らかの生育阻害物質の存在が示唆されています。
海外においては、強力なアレロパシー物質「ソルゴーレオン」が同定されています。
対策としては、発生圃場では他作物(飼料作物であればトウモロコシやミレット類、ローズグラス、緑肥作物であればクロタラリアやパールミレット、ギニアグラス)に切換え、2~3年はソルガムを作付しないこととされています。
有機物が多い土壌の方が発生しにくい傾向があるので、堆肥を多め(4t/10a以上)に施用しプラウ耕起を行なう、あるいは播種期を遅らせ、温度が十分に上がってから播種すると、症状が軽くすむとの報告があります。