初乳の給与

初乳を給与する場合は、その質、量、給与時間が子牛を健康に飼う重要なポイントとなります。
<初乳の役割>
 初乳は、常乳と比べると、成分が大きく異なります。また、搾乳回数によっても乳成分が変動します。一般的に最初に搾った初乳には、子牛に必要な成分が多く含まれています。分娩後1回目に搾った初乳は、免疫物質を多く含んでいるため、1回目の給与で余った初乳は捨てずに、2回目以降の哺乳時にも給与します。
 子牛にとって初乳は、重要な栄養源となると共に、抵抗性を持たない新生子牛に母乳の血液中に含まれている免疫抗体を移行させる、重要な働きを持っています。

初乳の給与1

 初乳に含まれる免疫物質は、大きな蛋白質から出来ており、およそ生後24時間までは取り込むこ
とが出来ます。但し同時に雑菌も取り込まれ易く、危険な時期とも言えます。
→ピノサイトーシス

初乳の給与2

 生後時間が経過するに伴い、子牛が免疫物質を利用出来る割合は急激に減少し、生後24時間以降ではほとんど利用出来なくなります(→腸管の成熟)。子牛が自己免疫を作るまでには、1~2ヵ月を必要とします。

初乳の給与3

 

 

 

 

 夜中に分娩するなどして、分娩に立ち会えなかった場合は、子牛が初乳をきちんと飲めているかどうか確認をする必要があります。確認の方法は、イ)子牛が乳を飲んで親牛の乳頭がきれいになっているかどうか見る、ロ)子牛が腹いっぱい初乳を飲んでいるか、初乳を飲ませてみる、などが挙げられます。親牛が起立不能等の事故により初乳を給与出来ない場合があるので、そのような時のために、1・2回目に搾った初乳の余りを凍結保存しておくのも良策です。

初乳の給与4