(1)芝生とは
地球上に存在するイネ科植物は、約600属5,000種が知られています。このうち芝生に利用されている「芝草」は約50草種であり、さらに国内で利用されているものは約20草種です。
芝草は適応地域によって、「暖地型芝草」と「寒地型芝草」に大別されます(表 1-1)。暖地型芝草は、世界の熱帯から温帯で使用され、生育適温は25~35℃、一方寒地型芝草(表 1-2、写真 1-1~1-4)は、世界の冷温帯を中心に使用され、生育適温は15~25℃となっています。このため、本州以南では「暖地型芝草」が、北海道および本州高寒冷地では「寒地型芝草」が利用されています。北海道および本州高寒冷地では、ケンタッキーブルーグラス(写真 1-1)が、一般家庭、スポーツターフ、緑化工事など、最も広く利用されています。
(2)芝草の品種と混播設計
芝草にも多くの品種が開発されており、品種により特性が異なるため、利用目的にあった品種を選定することが大切です。また芝生を造成する場合には、通常1つの品種で作るよりも、複数の品種を混播して作るほうが気象状況や環境条件に対する危険が分散されます。家庭用の芝生は、ケンタッキーブルーグラスを2~3品種混播することが推奨されます。種子の実播が始めての方は、念の為、初期生育が早いペレニアルライグラスを0.5~1.0g/㎡混播しておくことが推奨されます。