トウモロコシ除草剤の有効利用について

 飼料用トウモロコシの除草剤は大きく土壌処理剤と茎葉処理剤の2つに分けられます。
(1)土壌処理剤
 土壌に処理層を形成し、発芽してきた雑草の芽に触れることで、雑草を枯らします。また、雑草が発芽する際に種子周辺の水分を吸収しますが、同時に薬剤を吸収することによって効果を発揮します。
 土壌処理剤により、飼料用トウモロコシの生育初期から雑草を抑えることで肥料や水分、光などの競合を軽減することができます。
~ 効果的な使い方 ~
①砕土を充分に行い、播種・鎮圧する
 土壌処理剤の処理層が均一に作られ、除草剤としての効果が適切に発揮されます。
②土壌水分が最適な状態で散布する
 土壌水分によって薬剤が適切に拡散し、効果が発揮できます。
※大雨などで処理層が流されたり、薬剤が一箇所に集中したりすることで薬害が生じる可能性があるので降雨後の散布には注意が必要です。

(2)茎葉処理剤
 雑草に直接かけることにより、雑草を枯殺します。選択性(特定の草種のみ枯らす)と非選択性(草種を問わず全部枯らす)があります。栽培期間中は、飼料用トウモロコシに対して登録のある選択性の茎葉処理剤を使用します。収穫まで雑草の発生を軽減できます。
 ~ 効果的な使い方 ~
①散布後1日程度降雨のない好天の日を選んで散布する
 散布後に降雨があると効果が低下したり、薬害を起こしたりする可能性があります。
②作物の生育を揃える
 生育にムラがあると処理時期の決定が難しく、薬害が生じる危険性があります。

(3)除草剤の薬害について
 除草剤を散布後に生育停滞や、葉身の白化、ちぢれ、捻転(葉巻き)などの症状が発生し、ひどいときは葉身が褐色化し枯死に至ることがあります。

 薬害を防ぐために以下のことに注意します。
①除草剤の適切な使用方法について
 ア.「使用時期」、「使用量」、「使用回数」、「使用方法」の範囲内で散布を行う。
 イ.他の農薬との混用、または7日以内の近接散布を避ける。
 ウ.使用後に洗浄を行い、タンク、ホース、ノズル内に他の除草剤を残留しないようにする。
②除草剤散布時の気象・圃場環境について
 ア.多湿または大雨が続いた後は散布を行わない。
 イ.高温または極度の乾燥によりトウモロコシがストレスを受けた症状がみられた時は散布を行わ
  ない。
 ウ.土壌水分が最適な状態で散布を行う。
 エ.砕土・整地を丁寧に行う。
 薬害が発生した場合について、展開葉で認められる薬害の多くは一時的な症状なので、回復するのを待ちます。しかし、トウモロコシ全体が枯死するような重度な薬害の場合、回復は望めません。栽培を中止し、播き直しや代替の飼料作物への転換が必要です。
 飼料用トウモロコシに使用される除草剤は当社ホームページのカタログにも開催されています。
 北海道と都府県では、それぞれ使用される除草剤や薬量が異なる場合があります。地域にあった除草剤を使用することが必要です。