乳成分について

大まかな乳成分は、下図のようになります。

乳成分1

<飼料から乳脂肪へ>
   繊維質、糖およびでんぷんから、ルーメン発酵により酢酸、酪酸が合成されます。酢酸、酪酸はルーメン内で吸収され肝臓に貯えられ、乳腺で乳脂肪が合成されます。また、体蓄積された脂肪も乳脂肪の合成に一部、使用されます。

<飼料からSNFへ>
   摂取された粗蛋白質は、ルーメン内でアンモニアに分解され、ルーメン内微生物により微生物体蛋白質となります。また、糖、でんぷんなどはルーメン内微生物の活動エネルギーとなります(VFA)。微生物体蛋白質と一部ルーメン内分解を逃れたバイパス性の蛋白質は、小腸でアミノ酸に分解されます。そこで吸収され肝臓での蓄積を経て、乳腺で乳蛋白質へ合成されます。
  繊維、糖の一部とでんぷんから、ルーメン発酵によりプロピオン酸が合成され、肝臓でグルコースとなり、このグルコースを原料として、乳腺で乳糖が合成されます。
  乳蛋白、乳糖、ミネラル(およびビタミン)の合計がSNF(無脂固形分)です。

乳成分2

   乳糖、ビタミン・ミネラル濃度はある程度一定ですが、乳脂肪、SNF、乳蛋白は季節的な変動を受けます。一般に7~9月の夏期に低く、11~1月の冬期には高くなります。

乳成分3

   乳成分は泌乳ステージによっても変動します。産次によっても差はありますが、分娩直後は高かった成分も泌乳量のピークを迎える時期(分娩後50~60日)より少し遅れて分娩後90~100日頃最低レベルに達し、その後、徐々に上昇します。

乳成分4