(1)連作は2~3年に留める
トウモロコシは連作に強い作物といわれていますが、3~4年の連作で15~20%減収します(図 3-1)。以下の要因により連作障害が発生します。
①土壌pHの低下
トウモロコシは酸性土壌に比較的強い作物ですが、極端な酸性土壌ではリン酸(P)の吸収効率が下がり、実入りが不良になります。トウモロコシ栽培における最適pHは5.5~8.0といわれ、pH5.4以下の圃場では速やかな改良が必要となります。圃場のpHに合わせて適切量の石灰を施用します。
②土壌養分の欠乏
トウモロコシは多量の養分を吸収し、大部分はサイレージとして畑から運び出されます。播種前には土壌 診断による不足養分の確認を行い、各地域の施肥基準に従って適切な施肥を行います。
③土壌物理性の悪化
連作では土粒間の隙間が狭くなり、土壌の酸素不足や水分保持量が低下します。根の生育が妨げられ、減収につながります。
④有害物質や生物の蓄積
トウモロコシ体内に含まれる代謝物質はトウモロコシの発芽を抑制します。病原菌や害虫、雑草種子の 蓄積は、病害や虫害などの被害を増加させ、収量に影響します。
(2)風の当たらない畑を選定する
風によりトウモロコシが倒伏・折損すると、雌穂登熟の妨げや収穫ロスの発生により減収することがあります。防風網を設置することで、雌穂・子実重が増加するという報告もあることから、風のあたりの強さがトウモロコシに与える影響が大きいことが分かります(図 3-2)。風当りの強い畑で栽培する場合は、倒伏に強い品種や登熟が早い早生品種を選択します。
(3)排水良好な熟畑を選ぶ
トウモロコシは湿地には弱い作物です(表 3-1)。また水はけが悪いと出芽不良や根張りの悪化を招きやすく、根腐病などの土壌病害リスクも高まります。明渠や暗渠の設置、サブソイラによる心土破砕など排水対策を確実に行います。