(1)播種量の決定
最適栽植本数とは、品種の能力が最も発揮される栽植本数を指します。カタログで示される本数を参考に播種量を決定します。以下の式で栽植本数・株間・播種量を決定します。病害・虫害・播種作業ミスによる欠株の発生が予測されますので、計算した播種量より10%程度多めに播種することで適栽植本数を確保します。
①栽植本数(本/10a)=1,000(㎡)÷(畦幅(m)×株間(m))
②株間 (m) = 1,000(㎡)÷(栽植本数(本/10a)×畦幅(m))
③播種量 (kg/10a) =栽植本数(本/10a)÷1kg粒数
例1.栽植本数:8,000本/10a、畦幅:66㎝
株間=1,000/(8,000×0.66)=0.19m:19㎝

(2)最適栽植本数を守る
①過度に密植するとトウモロコシは徒長して稈茎が細くなり、倒伏リスクが増加します。栽植本数が高密度であるほど雌穂の縮小や不稔増加を招きやすく、最も栄養価の高い雌穂の収量が期待できなくなります。
②栽植本数は各品種の耐倒伏性、密植条件下の雌穂の稔実性により決めています。
③密植する場合は、栽植密度に見合った適正な施肥量を保ちます。
④密植によりTDN収量は増加しますが、品種によっては倒伏や不稔が増加します(図 1-1)。
一般的に、早熟で草丈が低く耐倒伏性に優れる品種は、多肥密植栽培に対する適応性が高くなります。

(3)種子サイズに適した播種板を選ぶ
①播種板の穴が大きく、速度が遅いと種子は落ちすぎます。逆に穴が小さく、速度が速いと落ちません(表 1-2)。播種する種子サイズに適した播種盤を使い、ゆっくり播種する事が重要です。

②社の販売種子については、ロットごとに試験を行い、利用する播種板を決定しています。
③証票や袋の下部にサイズが表示されています。これらを参考に播種板を選択します(写真 1-1、図 1-2)。
