施 設 自動哺育牛舎に限らず、牛舎建設の際は、コスト、作業性、子牛の快適性等さまざまな観点から考慮すべきです。各地の優良事例などを参考にするとよいでしょう。 1. 哺育牛舎の新設 (A) 現在所有している作業機械のうち、哺育牛舎の除糞、飼料運搬作業車を想定します。作業 機械の選定が済めば、軒高、飼育ペンの幅等の最小値が決定します。
(B) 哺育牛舎と親牛の牛舎で注意することは、厳寒期の考え方です。哺育牛は一般に寒さに 弱 く、天井の高く、隙間風が多い牛舎では疾病になりやすく、冬季・厳寒期の発育が停滞し ます。親牛と同様、子牛も換気が大切ですが、さらに“保温”を考え合わせて、できるだけ天 井の低い牛舎建設をお勧めします。
(C) 哺育牛舎の屋根形式は、片流れ、D型、セミモニターなどをお勧めします。オープンリッジは 雨水が入り込やすく、牛舎内の気温が下がりやすいため、哺育牛舎には不向きです。前述 の3形式の中では、セミモニターは、天井を低くすることができ、換気も確保できます。但し、 牛舎建設はコストを考え合わせる必要があるため、良く考えて自分の牧場にあった形式に しましょう。
(D) 哺育牛と育成牛を飼育する牛舎の建設を考えている場合、理想的には哺育牛舎と育成牛 舎を別個に建設することをお勧めします。哺育牛は疾病に対する抵抗力が小さいので、育 成牛からの細菌などの感染をできるだけ避けるためです。但し、別個の建設はコストが増 大し避けたいケースも考えられます。哺育牛と育成牛を牛舎内に同居させるときは、①哺育 初期牛をできるだけ日が差し、暖かい方向にする、②除糞の方向は、哺育初期→哺育後期 →育成牛の方向に作業できるようにする、③疾病子牛をいつでも別飼いできるように隔離治 療ペンを設けるなどの配慮が必要です(下図参照)。
|