原料の切断

  細切サイレージにおける原料の切断には、重要な意味があります。今一度切断について見直なおし
   ましょう。
 ①発酵を促進する  ②サイロの密度を高める  ③採食量(選び食い)、有効繊維量に影響する 

切断面をシャープに!
  切断した切り口からは、原料の汁が滲み出てきます。この汁の中には、乳酸発酵に必要な糖分が含まれていて、乳酸発酵を促進することができます。切れ味が悪く、切断面が潰れていると、汁が出てこないために発酵が緩慢になります。また、切断が悪い材料は、フカフカして踏圧がしにくいために二次発酵の原因にもなります。

原料の切断2
切断の良いサイレージ

原料の切断1
切断が悪いサイレージ(切れ味が悪く、縦に裂けている)

ナイフの研磨とカッターヘッドの調整
  短時間に大量の材料を切断するハーベスターのナイフは、時間とともに切れ味が悪くなります。こまめにナイフの研磨をするように心がけましょう。また、ナイフとシェアバーの間隔が開き過ぎないように注意しましょう。

原料の切断4 原料の切断3

切断長
  サイレージの発酵品質面から見ると、切断長が短ければサイロ内の密度が高まることから、発酵品質が良くなり、二次発酵も抑制されます。一方、給与面を考慮するとサイレージの切断長が短すぎる場合には、ルーメンマット形成不良の可能性(有効繊維の不足)が、長すぎる場合には、TMRにした場合の選び食いの可能性があります。ペンシルバニア州立大学で開発されたパーティクルセパレーターによる粒度分布の推奨値は、以下の通りです。
   ご自分のサイレージの品質や、給与方法(TMRミキサーの種類、自動給餌機や給餌車の使用の有無)を勘案して切断長を設定しましょう。

原料の切断5