土壌の電気伝導率EC

   電気伝導率ECは土壌の塩類濃度の指標として使われます。野菜畑,普通畑では肥料施用前の土壌で0.1~0.3mS/cm程度とされていますが,牧草地では0.1mS/cm以下のことが多いです。
   また土壌中の硝酸態窒素とも相関があり,そのためECの高い土壌については施肥過剰の土壌が多く、他の分析項目でも高い値を示すことが多いので注意が必要です。施肥直後の土壌では高く出ますので採取時期や施肥量などを考慮し判断してください。

電気伝導率EC

   分析方法は,土壌1に対し5倍量の純水を加えて1時間振盪し,ECメーター(写真)で測定します。分析では懸濁液の電気抵抗の逆数を測定しています。そのため,以前の単位は電気抵抗で用いられるΩ:ohm(オーム)の逆読みで℧:mho(モー)と呼ばれていた時期もありました。
                                   現在はmS/cmで表示しています。
  肥料などの養分が多く残っていると懸濁液は電気を通しやすくなり,抵抗が小さくなるため,ECは高くなります。ECが高いということは溶け出る塩類濃度も高いため,植物が養分を吸収することを考えると,浸透圧が高まり,養分吸収がし難くなってしまい,養分や水分の吸収も阻害されてしまうこともあります。