3.北酪検・検定成績表(牛群検定成績表)の見方

乳検

北海道酪農検定検査協会検定成績表(牛群検定成績表)

<検定日乳量階層>

10.乳検
  • 分娩後49日以下の生産性
    乾乳牛、分娩直後の飼養管理が大きく影響します。このステージの乳量が低い場合は乾乳牛、分娩直後の飼養管理の見直しが必要とされます。また、乳量がばらついている場合は、トラブルを起こしている牛、食い負けしている牛がいないか等をチェックします。
    乳成分では乳脂肪率が高い場合(5.0%以上)は、体脂肪を極端に動員しており、肝臓機能が低下し、ケトーシスや脂肪肝になりやすいです。
  • 分娩後50~99日の生産性
    泌乳ピーク時の栄養状態、飼養管理状態が大きく影響します。このステージの乳量が低い場合は分娩からピーク時にかけての飼養管理を見直します。
    乳成分では乳蛋白が低い場合(3.0%以下)は、エネルギー不足が疑われます。この状態が長く続くと繁殖成績に影響します。
  • 分娩後100日以降の生産性
    乳量の持続性を見ます。通常ですと乳量は2~3kg/月の減少となります。
11.乳検
  • 分娩予定頭数を示しています。但し、授精報告があり妊娠確認したもの、もしくは授精後70日間報告が無かったもの(ノンリターン70日)です。上段は2産以上、下段の括弧内は初産(現未経産)の予定頭数です。
12.乳検
  • 産次ごとの305日乳量
    最近1年間で240~305日の検定終了牛、もしくは泌乳中で305日を超えた牛の305日間の乳量を示しています。
  • 補正乳量
    成牛換算乳量である。実乳量と比較すると、おおよそ初産は3割増し、2産は1割増しになっています。牛群改良がされているので、産次が若いほど補正乳量は高くなります。例えば初産の補正乳量が低い場合は初産で十分能力が発揮できていない可能性があります。
13.乳検
  • 上段から産次別の年齢、産次別の頭数、その産次の比率です。道内の平均は、1産29%、2産26%、3産18%、4産12%、5産以上15%となっています。道内の平均産次は2.7産です。
14.乳検
  • 初産分娩月齢
    初回分娩月齢の分布と、直近1年での初回分娩月齢の平均、現在妊娠している未経産牛の予定初回分娩月齢を示しています。道内の平均は近年徐々に短縮されてきており、25カ月齢となっています。目標は24カ月齢とされていますが、育成牛の発育を高め、22カ月齢前後で分娩させている牧場も目立つようになってきました。
  • 分娩間隔
    産次別の分娩間隔状況と分娩間隔平均が示されています。道内の平均は、分娩間隔が426日、分娩間隔の分布は364日以下が26%、365~394日が20%、395~424日が15%、425~454日が11%、455日以上が28%となっています。
15.乳検
  • 未授精牛の頭数
    長期未授精牛(100日以降)をチェックします。繁殖に供さない牛ならば報告し、授精もれでないかも確認します。それ以外であれば、授精できていない原因を探ります。
    ・初回授精の分娩後日数別割合
    前月、3カ月、最近1カ年で初回授精した頭数と分娩後日数別割合を示します。80日以内で5割以上の牛が初回授精できているか確認します。出来れば7割以上授精されていることが望ましいです。
16.乳検
  • 分娩後日数別の平均体重を示す。分娩後と70~100日で大きく変化するようであれば、分娩後のトラブルやエネルギー不足等が原因として考えられます。前回体重に対する増減は同一牛の体重についての比較です。
17.乳検
  • 搾乳管理を数字で示したものです。なるべく搾乳ごとの乳量割合は差がないのが望ましいです。また、道内平均の搾乳牛1頭平均搾乳時間は14分で、それが極端に長いようであれば過搾乳等の疑いもあるので、乳頭スコアなどを確認します。