膝・飛節の疾病について
牛は寝起きの際に折り曲げた前膝を地面につけ、体を前に乗り出すようにして後肢から寝起きをします。繋ぎ飼い牛舎の場合、スタンチョンや繋留ロープ、狭い牛床や濡れた牛床、飼槽などが障害となり動作が制限されてしまうため、不自然な姿勢で寝起きをしがちになります。前膝や飛節はその度に牛床や飼槽の縁で圧迫され、摩擦や打撲が繰り返されると、やがて前肢には膝瘤、後肢には飛節周囲炎が発生しやすくなります。 【膝瘤(しつりゅう)】 【飛節周囲炎】 本症の原因は前述したように、寝起きの際に牛床や飼槽に四肢をぶつけることが主要因となり、また、不適切な削蹄や蹄病がこれらを助長します。予防策としては、定期的な削蹄と牛床の乾燥に努め、また牛床マットや敷料の確保に努めることが肝要です。繋留方法も、スタンチョンに比べて繋留ロープの方が優れていると言われており、更に繋留ロープには余裕を持たせるなどの処置を施し、牛の寝起きの行動を極力妨げないように工夫します。 【ロコモーションスコア】 |