ウィンターオーバーシード

 ウィンターオーバーシードは、ティフトンシバ等の暖地型芝生に、秋期に寒地型芝生の種子を播き、冬期も緑の芝生を維持し、翌年の春期~初夏に、寒地型芝生から暖地型芝生に切替える方法です。ペレニアルライグラスの耐暑性の弱い品種「スリークォーター」やアニュアルライグラス「フェアウェイⅡ」を利用し、関東地方では9月中旬~10月中旬、西南暖地では9月下旬~10月下旬に播種します。


1.ウィンターオーバーシードをするベース芝の準備
 ウィンターオーバーシードをする1ヵ月程度前から、ベース芝への追肥を中止します。ベース芝の上の石等を取り除き、播種直前に刈高10~15㎜程度に刈取り、芝生の密度を低下させます。
さらに、バーチカルモアやレーキ等を使用して、サッチ(未分解有機物)を掻出します。
バーチカルモアは、芝生の表面を引っ掻く機械で、自走式やトラクター牽引式があります。地表部から5mm程度の深さにブレードで切込みを入れ、堆積したサッチを掻き出し、同時にベース芝の密度も低下させることができます。
バーチカルモアが無い場合は、レーキで代用することができます。
掻出したサッチは綺麗に取除き、種子が土壌と密着しやすくします。
これらは、ウィンターオーバーシードをする草種の発芽を良好にするために、重要な作業です。

レーキ

バーチカルモアでサッチを掻出す

低刈りする

2.基肥
 過リン酸石灰50g/㎡を、表面に均一に散布します。窒素肥料はベースの暖地型芝生の生育を促進してしまうため、ウィンターオーバーシードをする草種の発芽後に、追肥として施用します。

3.ウィンターオーバーシード草種の播種
 播種する種子を3等分し、縦、横、斜めの方向に播くことで、播き過ぎや播きムラが防げます。
芝生の種子は小さく、風に飛ばされやすいため、風のない日を選んで播種します。

播種する

4.覆土、鎮圧、散水
 覆土は目土を2~3㎜程度行ないます。ローラーや適当な大きさの板材等を利用して鎮圧します。乾燥しないように散水を行うと、発芽が揃います。
播種後1週間~10日間ほどで発芽します。

目土を施用する

5.追肥
年内に十分な量の追肥を行い、冬期緑度を維持します。
窒素、リン酸、加里の成分が、各10%程度の芝生専用の化成肥料を用い、
年内の追肥量の合計は、窒素成分量で10g/㎡を目安とします。

6.トランジッション(春期におけるベース芝への切替え)
 ベースの暖地型芝生の萌芽が予想される1ヵ月前に追肥を停止し、寒地型芝生の生育を抑えます。ベースの暖地型芝生が萌芽を開始したら、支障が無い範囲で刈高10~15㎜に低刈りします。
 低刈りによりベースの暖地型芝生に光と温度を与えることができ、萌芽および再生を促進できます。ウィンターオーバーシード草種の衰退が遅い場合は、浅いバーチカットやコアリングを行います。
 ベースの暖地型芝生の萌芽とウィンターオーバーシード草種の密度低下を確認したら、追肥を再開します。その後、ウィンターオーバーシード草種の衰退が十分で無い場合は、フルザスルフロン剤(シバゲン水和剤)等の除草剤を散布し、強制的に寒地型芝生の衰退を促進させます。