採草地の混播例について

   良質な自給飼料を生産するためには、草地管理やサイレージ調製の技術が大切ですが、品種の選定や利用目的、栽培条件にあった混播組み合わせを考えることも大切なポイントの一つです。牧草の混播設計は気候条件や利用方法によって様々ですが、弊社がすすめる混播例を以下に紹介します。

<チモシー(極早生、早生品種)の混播例>
   チモシーは一般に熟期が早くなるにつれて刈取り後の再生力が優れる傾向にあります。また、極早生や早生品種では、2番草においても節間伸長茎(出穂茎)がみられることが多く、その程度は品種によって異なります。
   これらのことから、極早生や早生品種の混播には、生育が旺盛なアカクローバの早生品種にシロクローバを加えるのが一般的です。混播例を表1に示しました。表1のAは最も一般的な混播例ですが、マメ科牧草が優占しやすい条件(春播き、旱魃になりやすい草地など)ではBのようにマメ科の混播量を減らします。一方、マメ科が衰退しやすい条件(冷涼地域など)ではCのようにマメ科の混播量を増やす必要があります。特にマメ科が衰退しやすい根釧や道北の一部地域では、Dのように大葉型のシロクローバを利用する場合があります。
  また、これらクローバ類との混播のほかに、最近ではギシギシ用除草剤「ハーモニー」の普及により、Eのようにクローバのかわりにアルファルファを混播するケースが増えてきています(ハーモニーを散布した場合、クローバは枯死しますが、アルファルファは枯死しません)。

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<チモシー(中生、晩生品種)の混播例>
   中生や晩生品種は、早生品種と比較して刈り取り後の再生力が劣る傾向にあります。そのため、生育が最も穏やかな小葉型シロクローバとの混播が適しています。混播例を表2に示しました。この場合も、条件によってマメ科の混播量を加減する必要があります。A(中生)とB(晩生)が一般タイプ、Cはマメ科が優占しやすい条件、Dはマメ科が衰退しやすい条件の混播量です。

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<オーチャードグラスの混播例>
   オーチャードグラスはチモシーよりも競合力が強いため、アカクローバおよびシロクローバ(大葉型)との混播(表3のA)、またはアルファルファとの混播が適しています(表3のB)。オーチャードグラスはマメ科牧草に抑圧されることは少ないですが、チモシーと同様に条件に応じてマメ科牧草の混播量を加減する必要があります。

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<アルファルファの混播例>
  年間3回刈りの場合、オーチャードグラスとの混播が最も適しております。アルファルファとオーチャードグラスの混播例を表4のAに示しました。アルファルファの刈り取り適期は6月中旬前後であるため、オーチャードグラスは晩生もしくは極晩生品種が最適です。オーチャードグラスの早生や中生品種は、6月中旬前後には出穂が進み、品質が低下してしまいます。
チモシーとの混播例は表4のBのとおりです。アルファルファは2番草以降の生育が旺盛なことから、チモシーは極早生もしくは早生品種の利用が適しています。弊社の試験では、ホライズンがアルファルファとの混播に最も適していることが確認されています。

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