オーチャードグラスの特性と品種について

<オーチャードグラスは集約的な牧草栽培に最適です>
   オーチャードグラスは北海道、東北を中心に利用されており、北海道ではチモシーに次いで利用されているイネ科牧草です。オーチャードグラスはチモシーよりも刈り取り後の再生力に優れ、年間3~4回の収穫が可能なことから、土地面積に制約がある畑作酪農地帯など、集約的に牧草を生産したい場合に最適な草種です。
   オーチャードグラスの越冬性はチモシーよりも劣りますが、品種改良によって改善されてきており、最近では十勝など越冬条件が厳しい地域でも積極的に利用されています。また、オーチャードグラスはチモシーよりも出穂がやや早いことから、収穫期を拡大するのに最適な草種です。そのほか、耐倒伏性に優れる、高温干ばつに強いなどの優れた特性をもっています。

オーチャード1

オーチャード2

<オーチャードグラスの欠点>
   オーチャードグラスはチモシーよりも越冬性が劣るため、利用の中心は道北、道南、道央地域であり、越冬条件が厳しい道東ではあまり利用されていないのが現状です。しかし、先述のとおり、牧草の品種改良が進み、道東地域でも利用可能な品種が増えてきました。十勝などの畑作酪農地帯では利用価値がある草種であり、今後の利用拡大が期待されるところです。
    もう一つの欠点として、刈り遅れによる嗜好性の低下が挙げられます。出穂後の消化率の低下速度がチモシーに比べると早いため、早期収穫がオーチャードグラス栽培の大切なポイントになります。

オーチャード3

<オーチャードグラスの病害>
   北海道における葉枯性の重要病害として黒サビ病、雲形病、すじ葉枯病などがあります。最も重要な病害は雪腐病であり、特に道東地域で多発する雪腐大粒菌核病が発生した場合は大きな被害を受けるため、防除のための薬剤(トップジンM水和剤)も一部で利用されています。

オーチャード4

<オーチャードグラスの品種と特性>
   オーチャードグラスの出穂始は早生品種で5月下旬~末、極晩生品種で6月上旬~中旬であり、その差は半月程度になります。チモシーとオーチャードグラスを組み合わせることにより、収穫期を拡大することができます。

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<早生品種>
   ワセミドリは5月下旬~末ごろに出穂始をむかえます。5月に収穫できるため、収穫適期を拡大することができます。最近育成された品種では北海道農業研究センターが育成した「はるねみどり」があります。

<中生品種>
    フロンティア、ハルジマン、オカミドリは5月末~6月上旬ごろに出穂始をむかえます。チモシーの極早生(クンプウ)よりも出穂がやや早く、チモシーと組み合わせやすい熟期であることから、オーチャードグラスでは最も需要量が多い熟期です。弊社育成のフロンティアは長年北海道で利用されており、道北、道央、道南を中心に安定して栽培することができます。ハルジマンは北海道農業研究センターで育成された新品種です。

<晩生~極晩生品種>
   バッカスは6月上旬ごろ、トヨミドリは6月上~中旬ごろに出穂始をむかえます。バッカスはチモシーの極早生(クンプウ)とほぼ同じ熟期であり、トヨミドリはそれよりも3~4日程度遅い品種です。チモシーの極早生品種では収量が低く、より多くの収量を得たい場合には、これらの品種を代わりに利用するのも一つの方法です。また、これらの品種はオーチャードグラスでは最も出穂が遅いため、アルファルファとの混播にも適しています。
   弊社育成のバッカスは、平成14年に北海道優良品種に認定された新品種であり、越冬性、収量性や葉枯性病害に対する抵抗性が優れています。バッカスは弊社でこれまで販売してきたヘイキングやフロンティアに比べると越冬性が改良されていることから、道北、道央や道南のほか、十勝などの道東地域でも栽培することが可能です。