アルファルファの特性と品種について

<アルファルファは栄養価と嗜好性が優れる牧草の女王です>
   アルファルファはタンパク質やミネラル含量が高く、また嗜好性が優れることから「牧草の女王」と呼ばれており、アメリカを中心に世界中で広く利用されている牧草の一つです。高泌乳牛に対応した高栄養価牧草として利用されており、日本では多くのアルファルファ乾草が欧米より輸入されています。
   環境適応性については、アルファルファはアルカリ性のやや乾燥した土壌を好むため、耐湿性はあまり強くなく、直根で土壌の深くまで根が入るため、干ばつに強い特性を持っています。アルファルファは世界中に多くの品種があり、耐暑性や耐寒性などは品種によって大きく異なるため、地域に適した品種を選定する必要があります。北海道では、以前はヨーロッパやアメリカから導入した品種が利用されていましたが、近年は北海道で育種された寒地適応性の高い品種「ケレス、マキワカバ、ヒサワカバ」が普及しています。日本でのアルファルファの品種改良は、北海道農業研究センターおよび弊社(雪印種苗(株))で行われています。

アルファルファ1

<アルファルファの欠点>
   日本におけるアルファルファの利用は輸入乾草が主体であり、栽培面積はそれほど多くありません。アルファルファは上述のとおりアルカリ性でやや乾燥した土壌を好むため、日本のような雨が多く湿潤で酸性土壌が多い環境では作りにくいことがその理由としてあげられます。日本で栽培する場合は、酸性改良(カルシウム資材の施用)を中心とした土壌改良や圃場選定が大切なポイントとなり、圃場選定にあたっては、排水良好で肥沃な土壌が望ましいといえます。アルファルファの栽培はとかく難しいと思われがちですが、酪農の現場では、思いのほか容易に成果をあげている場合も多くみられます(土地条件に恵まれた地域が多いようです)。

<アルファルファの病害>
  乾燥地域が原産のアルファルファを日本のような湿潤の地域で栽培すると様々な病害が発生しやすくなります。北海道での重要な葉枯性病害として、そばかす病やいぼ斑点病があげられます。品種改良によってこれら病害に対する抵抗性が改善されていますので、抵抗性に優れる品種を栽培することと、アルファルファを健全に育て、病気に対する抵抗力を高めることが大切です。過去に大きな問題となったバーティシリウム萎凋病については、最近の北海道優良品種は全てバーティシリウム萎凋病抵抗性が高いため、深刻な被害は少なくなってきています。

   冬季に発生する病害では、イネ科牧草と同様に雪腐病が重要な病害となります。アルファルファ菌核病(Sclerotinia trifoliorum)は株全体を枯死させ、雪解け後に葉や茎が枯れた部分や地中浅いところに直径5mm程度の黒い粒が多数見つかります。アルファルファ黒色小粒菌核病(Typhula  ishikariensis)は地際~地表部が腐敗し、径1mm程度の小さな黒褐色の粒が付着します。株の枯死は少ないですが、春の萌芽の遅れや茎数の減少により減収します。


アルファルファ2

<アルファルファの品種と開花始>
   現在市販されている北海道優良品種はケレス(雪印種苗育成)、マキワカバ、ヒサワカバ、ハルワカバ(3品種ともに北海道農業研究センター育成)があります。いずれの品種もバーティシリウム萎凋病に高い抵抗性をもつ品種であり、そばかす病抵抗性、越冬性に優れています。開花始は4品種ともに6月下旬ごろであり、早晩生は早生に属します。
   弊社育成のケレスは雪腐病抵抗性、耐凍性が強く、道内各地の試験や試作圃場で優れた越冬性、永続性が確認されています。多雪地域だけでなく、少雪地域を含め全道で利用が可能です。病害抵抗性については、そばかす病、バーティシリウム抵抗性に優れます。そばかす病には特に強く、秋における葉の黄化、落葉が少ないのが特徴です。
  北海道農業研究センターが育成したマキワカバは積雪の多い地域で良好な生育を示し、主に多雪地域での利用に適します。ヒサワカバは少雪地域で良好な生育を示し、道東地域を中心とした少雪地域での利用に適します。ハルカワバは最近育成された品種であり、より寒地適応性が強く、道東地域を中心に全道で利用することができます。


アルファルファ3

アルファルファ4