踏圧方法

  細切サイレージにおいて踏圧作業は、サイロ内の空気を追い出して、すばやく乳酸発酵させるための重要な作業であり、開封後の二次発酵にも大きく影響します。近年、ハーベスターの作業能力が上がってきたことで、サイロでの踏圧作業が追いつかない場面も見受けられます。踏圧作業のポイントを整理して、効率よい作業を心がけましょう。

原料草の積み方
  原料草の積み方によって、踏圧の効率は大きく変ります。ポイントは2点です。
①なるべく薄く拡散する。
②バンカーサイロの壁際を踏みやすくするために、壁側が高くなるように積む。

踏圧方法1

踏圧方法2踏圧方法3

踏圧機械
  踏圧に使用する機械は、キャタピラ式やクローラ式のバックホーなどよりも、圧力がかかりやすい(接地圧が高い)ホイールローダーを使いましょう。

踏圧方法4
                                          ホイールローダー2台での踏圧作業

密度(どれくらい詰め込めばいいのか)
  サイロの中にどれくらい詰め込めば十分な踏圧と言えるのでしょうか?教科書的には、サイロ1m3あたり700~800kg以上の密度と言われていますが、詰め込み作業を行っているときに密度を測定することは出来ません。
 そこで根釧農業試験場では、圧縮係数という指標を提唱しています。

踏圧方法5

   つまりサイロの容積に対して、どれだけの牧草容積(運搬するダンプ荷台の容積とサイロに運んだ台数で計算)を詰め込むかという係数です。
  根釧農業試験場の調査では、水分70~80%の中・高水分では、圧縮係数2.0以上を推奨しています。サイロ容積の2倍以上の牧草を詰め込めばいいということです。サイロ容積と牧草を運搬するダンプ荷台の容積が分かれば、そのサイロにダンプ何台分を入れれば良いか計算できますので、調製作業時に参考にして下さい。