○水分Moisture 飼料中の「水」の含量で飼料の品質や乾物摂取量に影響します。サイレージの場合、品質が安定しているのは60~70%といわれ、80%を超えると酪酸発酵が起きやすく、養分損失や嗜好性の低下につながる恐れがあります。 ○乾物Dry Matter 飼料成分の水分以外の成分の総和。したがってこの中にすべての養分が含まれます。飼料計算で特に重要な乾物摂取量(DMI)の基礎となります。 ○粗蛋白質Crude Protein 飼料中の窒素含量に 6.25倍したものです(蛋白質の窒素含量が、平均16%含まれているので100/16 = 6.25となる)。 ○DIP(分解性蛋白質)Degraded Intake Protein ルーメン内で分解され最終的には、アンモニアやアミノ酸まで分解されます ( DIP + UIP = CP)。微生物に利用されて、微生物蛋白質が増えます。 ○UIP(非分解性蛋白質)Undegraded Intake Protein ルーメン内では分解されないで、小腸内で吸収されます。微生物蛋白質が不足する時に利用されます。 ○SIP(溶解性蛋白質)Soluble Intake Protein DIPの一部で,ルーメン内で急速にアンモニアまで分解されます。SIP割合が高くなると、ルーメンから吸収され肝臓で尿素になり尿として排出されます。 ○結合蛋白質Bound Protein 繊維と結合しており、消化管では分解、吸収されないで糞として排出される蛋白質です。 ○TDN(可消化養分総量)Total Digestible Nutrients 飼料のエネルギー含量を示します。本来は下記のように算出します。TDN=(粗蛋白質×消化率+粗脂肪×消化率×2.25+粗繊維×消化率+可溶無窒素物(NFE)×消化率)×0.01。最近ではTDN推定式で算出するようになっています。 ○ADF Acid Detergent Fiber 酸性の界面活性剤で処理して求められる繊維です。セルロースおよびリグニンからなり、飼料の消化性に大きく関係してきます。 ○OCW(総繊維)Organic Cell Wall NDFと同様に総繊維を分析する方法です。細胞壁構成物質を酵素で処理して求められる総繊維です。セルロース、ヘミセルロース、リグニンからなり、飼料の乾物摂取量(DMI)に大きく関係してきます。 ○OCC(細胞内容物)Organic Cell Contents 細胞内容物質。 糖、澱粉、有機酸、蛋白質、脂肪など。 ○Oa(高消化性繊維)Organic a fraction in OCW OCW中で、非常に消化率の高い区分。酵素(セルラーゼ)に可溶。 ○Ob(低消化性繊維)Organic b fraction in OCW OCW中で、消化率の低い区分。酵素(セルラーゼ)に不溶。 ○粗脂肪Crude Fat (Ether Extract) エーテルにより抽出される中性脂肪の他に、リン脂質、レシチン、遊離脂肪色素、炭化水素なども含んでいます。栄養成分の中でエネルギーが高い。 ○NFC Non Fibers Carbohydrate 植物の細胞内容物 (OCC)に含まれる炭水化物が主体であり、糖,澱粉,ペクチンが含まれる。NFCは全炭水化物からNDFを除いたものをさす。同様なものに、NSC(非構造性炭水化物)、NCWFE(昜利用性炭水化物 )がある。 ○ミネラル Ca. P. Mg.K,Na. Cl. Mn. Fe. Cu. Se. Mo. S. I. Zn. Co(計15種類)があり,これらが必須ミネラル。これらのバランスがくずれる、グラステタニー(低マグネシウム血症)など疾病の原因となる恐れがあります。 ○硝酸態窒素NO3-N 少ない方が良い。牛の危険限界は乾物中0.2%が目安。多いと第1胃でNO2-Nとなり、血中のヘモグロビンと結合してメトメモグロビンとなり、酸素欠乏となり急性中毒死することがあります。 ○pH(水素イオン濃度) サイレージの品質評価の基準となります。一般的に乳酸発酵が進むとpHは低くなり、逆に酪酸発酵が進むとpHは 高くなります。また低水分ほどpHが高くなる傾向にあります。 ○VFA(揮発性脂肪酸)Volatile Fatty Acid サイレージ発酵の品質評価の基準となります。有機酸の主なものに、乳酸. 酢酸. プロピオン酸. 酪酸. カプロン酸があります。品質評価には、フリーク法やV-スコアがあり一般的に乳酸が多く酪酸等が少ないものが、良質なサイレージとなっています。 ○VBN(揮発性塩基態窒素)Volatile Basic Nitrogen サイレージでは一般に、VBNのほとんどがアンモニア態窒素です。 VBN/Total-NがpH .有機酸同様に、品質評価の基準となる。 |