ラップサイレージ調製のポイント

  ラップサイレージは、牧草細切サイレージやコーンサイレージとは異なり、基本的には低水分にすることで酪酸発酵を抑制します。

ラップ1

水分は50%程度に!
  当社で実施している現場サイレージの分析サービスのデータから、ラップサイレージの水分と発酵品質(Vスコアー)の関係を見ると、水分50%以下であれば、乳酸発酵も微弱ですが酪酸やアンモニアも少ないために、発酵品質は良好です。一方、水分50%を越えると極端に発酵品質が悪くなり、品質のバラツキも大きくなりました。
 細切サイレージは、細かく刻むことで切り口から出てくる汁に含まれる糖分を利用して乳酸発酵が促進されます。基本的にカッティングしないラップサイレージは、牧草に含まれる糖分が利用しにくいために、乳酸発酵が進みにくいという特徴があります。一方、水分が高い場合には他の雑菌の活性が高くなり、結果として発酵品質が悪くなります。予乾にかかる日数も考慮しながら水分50%前後を目指しましょう。

現場ラップサイレージの水分とVスコアの関係.jpg

ラッピングは4層以上に!
 畜産草地研究所の野中先生の試験結果をご紹介いたします。水分50%のチモシーロールを2~6層でラッピングし、11ヵ月間貯蔵したところ、2層では調製直後にピンホールが発生し、開封時には白カビが中心まで到達してVスコアーの採点が出来ないほど劣質になりました。一方、4層以上では品質に差はなく、どれも良質なサイレージが調製されていました。

ラップ3

フィルムが破損したら速やかに給与する
  やはり畜産草地研究所の野中先生の試験結果をご紹介します。水分50%の4層巻きラップサイレージの天頂面に穴を開け、2ヵ月間貯蔵したところ、破損直後から発熱し、円筒上にカビが発生しました。
  貯蔵中にフォルムが破損したら、被害を最小限にするために補修テープを貼り、出来るだけ速やかに給与しましょう。

ラップ4

ベールの移動は給与直前に
  ラップフィルムは、貯蔵期間中に復元力が徐々になくなってきます。従って一定期間貯蔵後に移動すると、クリッパーでつかんだ時にベールとフィルム間に空気が入り、カビ発生の原因になります。ラッピングは出来るだけサイレージの保管場所近辺で行い、ラッピング後は速やかに保管場所に移動します。保管中の移動は避け、給与直前に移動するようにしましょう。

ラップ5

ベールの保管は縦置き2段積み
 横置きにするとベールが変形しやすく、フィルムがずれたりすることで密封性が悪くなり、カビが発生しやすくなります。縦置きにすることで、両端面が引っ張られて密封性が良くなります。また2段積みにすると端面が重なるために、更に密封性が良くなりますが、3段以上に積むと一番下のベールが潰れやすくなるために、縦置き2段積みにしましょう。

ラップ6

高水分になる場合は乳酸菌添加剤を使用
  前述のように、水分が50%以上になると発酵品質が不安定になります。このような場合は乳酸菌を添加して乳酸発酵を促進しましょう。当社の添加剤に使用している乳酸菌は、水分35%以上であれば乳酸発酵を促進することを確認しております。また、牧草中の糖分を利用しにくいラップサイレージ(刻まないので、糖分を含んだ汁が出てこない)には、繊維分解酵素入りのサイマスターACがお勧めです。

発酵品質.jpg