(有)東原ファーム


(有)東原ファーム

抗生物質フリー・NGM原料製品で良質な肉牛生産を実践

1. はじめに
   十勝の地理的状況は、西に日高山脈、北に大雪山系、南と東は太平洋に接しており。
夏期は比較的暖かく内陸では高温になりますが、冬期の寒さは一段と厳しくなります。
  年間の日照時間は、北海道では最も長く、特に秋の収穫時期は晴天の日が多くなります。
年間降水量は、北海道では網走に次いで少ないですが、夏期に多く年間の約半分の降水量を記録します。また、根雪が遅く積雪も少ないため、冬の寒さによる地下凍結が著しいところです。
  内陸部と沿岸部では気象条件に差が見られます。沿岸部は濃霧が発生しやすく、気温は低く降水量が多く日照時間も少ないですが、山麓沿いの地域は内陸部より降水量が多い傾向にあり、内陸部は、降雨が少なく日照時間も長く、積雪が少ない傾向にあります。
  このような気象条件から、内陸部は畑作経営が多く、沿岸部や山麓部では酪農経営が多く営まれています。
  今回は、畑作経営が多い芽室町で独創的なホル雄牛の肥育経営を行っており、本年更に肥育牛の差別化をより明確にするためにヌレ子から一貫肥育を始めることになり哺育牛舎と育成牛舎を建設中の(有)東原ファームさんをご紹介いたします。

2. 経営概要
  (有)東原ファームの経営概要は表1の通りとなっています。東原社長は肥育牛の販売と牧場管理と忙しい日々です。通常は5人の従業員が飼料給与と個体管理を行っていますが、社長は、週2日の肥育出荷の際には枝肉格付けに立ち合い道南の森町まで出向き、その合間は肥育状況の確認と社員への指示を行っています。

東原1




3. 良質な牛肉生産
      当ファームでの肥育は、良質な牛肉生産と安定的販売を主眼にホル肥育経営を行っています。  
   特徴として、配合飼料は肥育前期、肥育後期を使い分け、また大麦はマッシュと圧ペンを半々に混
   合して生育ステージごとに給与量を調整し肉質向上を目指しております。良い時はB3比率50%近く
   になる期間もあります。
     粗飼料は、スーダングラスを購入し、15㎝カットにして配合飼料と混合して給与しております。ま
   た、もう一つの特徴として安定販売を目的として配合飼料は指定配でNGM原料製品を使用してお
   り、府県の大型スーパーで大変好評を得ております。

4. 敷料の再利用によるコスト削減
      平成18年3月に堆肥舎(畜環リース)を建設し、堆肥醗酵設備を自己資金で設置し再利用を行い
   コスト削減をしております。敷料はオガクズで平均35日間で再利用できることで年間約8,000千円の
   削減を見込んでおります。

東原2

5.  一貫肥育の挑戦
 現在、ホル素牛を他管内より導入して13ヶ月肥育していますが、美味しさと、安心への取り組みとして
飼育履歴(トレーサビリティ)を自社ファームで管理していくこと、また良質肉生産向上と健康な肥育牛を生産するために哺育からの一貫肥育体系を平成18年5月より開始しました。哺育牛舎 1棟(自動哺乳機2台)、育成牛舎 3棟建設し、当年12月までには、育成牛約570頭飼養することになり総頭数約1,900頭の大型肥育牧場となります。

6.  今後の課題
 肥育技術は確立されていますが、哺育及び育成は新たなる挑戦となるため奥様の協力を仰ぎながら当牧場の育成技術を確立させ、環境衛生管理や牛の健康管理など、一貫管理を徹底して行い抗生剤無添加の飼料で安心、安全な良質肉の生産に邁進していくとのことでした。