土の中の微生物

○生物性(ひとつかみの土壌は微生物たちの地球)
   土壌を評価するときに、土壌分析で行うようなpH、各養分量などの化学性、保水性や通気性などの物理性の他、有機物を分解して植物が吸収できるような成分に変える働きをする微生物などの生物性もあります。
   畑土壌1g中には約1億以上の微生物がいると言われています。その重量は土壌の0.5%にもなるともいわれます。つまり10aの土壌が100tであったとしたら、500kgは微生物の重さになるわけです。現在世界の人口が63億人を超えたといわれていますので、私たちが一つかみの土壌を集めたら、その中には地球の人口と同じぐらいの微生物が存在するわけです。微生物にとっては一つかみの土壌が地球規模なのです。
  土壌中の微生物には細菌、放線菌、糸状菌(カビ)、藻類などが存在しますが、放線菌、藻類を細菌としてみなすと、大きく細菌とカビに大別されます。細菌はカビに比べ数は圧倒的に多いですが、カビなどは菌糸を伸ばすため重量では細菌を上回ります。
   微生物には有機物をエサにしている有機栄養微生物と無機物や光からエネルギーを得る無機栄養微生物がいます。有機栄養微生物には植物・微生物の死骸・残査を利用し、土壌中の有機物の分解に関与している腐生菌、根などと共生関係にあり、植物が必要な養分を固定したりする根粒菌、菌根菌、藻類など、そして植物などに寄生する病原菌などがあります。無機栄養微生物は有機栄養微生物が分解したNH4-Nなどを植物が吸収する形態のNO3-Nに変えたりするものが多い。土壌中で微生物は様々なものに関係してきます。
   微生物にも活動する条件があり、その微生物が好気的なのか、嫌気的なのか、また、土壌も好気的なのか、嫌気的なのかがあります。畑土壌では耕起により通気が良くなり、好気的なカビが優勢になり有機物の分解が進みますし、一部の嫌気的微生物は死滅してしまいます。水田土壌では水を張ることから嫌気的になるため好気的なカビは繁殖しにくくなり、有機物の分解も少なくなるでしょう。このように土壌中においても条件によって優勢になる微生物は変わってきます。また死滅した死骸は生き残った微生物のエサになり、土壌中での微生物の活動を円滑にしているわけです。
そのため微生物性の良い土壌とは、特定の条件のみで活動できる微生物層ではなく、相反するような条件で活動する微生物層も持った土壌ではないかと考えます。